© 2018 Yoshiei Iwakura

Playground Scenes

あの日見たもの

 

ちっぽけに区切られた広場に

色彩が染みてくる頃

目覚めた君は心を燃やし始める。

すり切れた芝の香りと

鮮やか色のものたち

さかむけさびた鉄の臭いのなか

幼い君は景色の中を駆け巡る。

そのはじける歓声に立つ造形たちに

君の熱い身体が触れたとき

記憶という海への航海が始まった。

 

幾歳の荒波に君の姿は大人びて

あの日見たものたちはここにいて

君はくすみかけた視野の中で

打ち上げられた様々な記憶のかけらを

寄せ集めては継ぎ合わせる。

 

一筋の汗 その君の頬に射す

初夏の日射しはまぶしくて

透かした手のひらの向こうには

あの日の幼い君がいて

あの日見た色とかたちを

ポケットからあふれた思い出の中

無造作にねじ込むことで

君はまた一歩 歳を重ねる。